
- 作者: 池上彰,テレビ東京報道局
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2012/03/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- 作者: 池上彰,テレビ東京報道局
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2012/04/14
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ケインズが「孫の世代の経済的可能性」で100年後には経済問題は解決すると予言しましたが、とてもそのような状況になる気配もなく、21世紀に入ってから世界では資本主義の隠された矛盾が一気に噴出して経済問題が多発しています。そんな状況の中で経済学自体が、インチキのような学問と言われることもしばしばあります。経済学はインチキではないと思いますが決して万能でもありません。本書でも述べられていますが経済学は時代によってその処方箋を常に書き換えなければいけないものであり、時代によって流転する動学であることは深く認識しなければいけないと思います。(経済学は現実を帰納法で後付けで理論化する社会科学なので即効性がない、故に経済的即効性を求める人たちからインチキ呼ばわりされるのもしょうがないと言えばしょうがない。経済を、ある種のニュートン力学的な系、または数学的に演繹的な普遍の公式が存在している学問と思っている人たちがいるので。)
前置きが長くなりましたが本書は経済学を池上彰さんがわかりやすく書いた本です。本当にわかりやすい。目から鱗が落ちるぐらいわかりやすい。1巻は経済の概要と有名経済学者の説明となっています。アダムスミスの見えざる手、マルクス経済学、ケインズ、フリードマンとマネタリズム、リカードの比較優位。2巻は少し掘り下げた7つの内容をわかりやすく記載しています。
社会を考えるときに必要なのは「広い視座」であって、必ずしも深い知識は必要ないのではないかと思っています。(もちろん深い知識もあればもっといいと思います。)本書は経済および社会を考えるための、広く浅い視座を得るための優れた入門書だと思います。