興味を引く記事を見つけたので長いのですが全文引用掲載します。
僕jは世界の
労働市場に明るいわけではないので、この記事の内容についての信憑性を断言できるわけではありませんが、個人的には概ね正確な内容だろうと思います。「
格差社会」という言葉が日本に定着して久しいですが、「
格差社会」という傾向は世界中の先進国で生まれていて、さらにこの長期的トレンドは今後も変わることが無いと思います。
国際経済のモデルでは「技術集約産業が発達した国(高スキル)と労働集約が発達している国(低スキル)との貿易では技術集約国は高スキルの産業と雇用が増え、高スキルの労働者の賃金が上がって国内の格差が拡大する。労働集約国は低スキルの産業と雇用が増え、低スキルの労働者の賃金が上がって国内の格差が縮小する」とあります。
19世紀のドイツの学者
フェルディナント・ラッサールが
「賃金の鉄則」(実質賃金が長期にわたって、労働者の生活を維持するのに必要な最低賃金に向かう傾向を持つと主張する、経済学で提唱された法則である。)を唱えました。それと対抗するかのように人類は技術の
イノベーション、市場の拡大、
労働人口の増加などにより需要と供給力を向上させ続け、生活を維持するのに必要以上の賃金を獲得してきました(少なくとも先進国では)。しかし、ついにラッサールが予言した「賃金の鉄則の終着点」に辿り着きつつあるような気がします。上記の記事にも書かれていますが、格差を拡大させながら労働者を「賃金の鉄則」へ導く最後の
パラダイムがIT革命だと思います。
IT技術が社会へ浸透していくことによって、極めて合理的でスタイリッシュで、悲しいまでに美しく秩序だった社会が地球上に生まれつつあるように思えます。「
情報格差」という言葉で表されるように、情報を得られる人間はITを利用しどんどん稼ぎ、情報を得られない人間はなす術も無いまま与えられる賃金で生きていくしかない社会が生まれつつあります。
パソコン一つクリック一つで他人の金を運用しノーリスクで大金を得るグローバル
投資銀行のトレーダー。一方では
投資銀行のギャンブルの損失を一身に背負って、職を失い路上に放り出される人々。(さらにひどいことに職を失った人々は自己責任、努力不足との謗りを受けることさえあります。)このような社会について特定の倫理観を持って、良いか悪いかを論じるつもりは俺はありません。今後この流れを止めることは出来ないし、止めることが良いことかもよくわかりません。ただただこの社会の中で生きていかなければいけないことだけは確かなようです。
先般の
金融危機の背景として「先進国の需要不足=金余り」が指摘されています。需要が無い故に無理矢理バブルを生み出して、そして破裂させました。今のところ先進国全体の
少子高齢化、物質的飽和、需要不足を解消する術がまるで見当たりません。そのような背景を持ったグローバル経済ではまたバブルが起こり、そして弾けるでしょう。その度に情報強者と
情報弱者の格差は徐々に広がり続け、先進国の中間所得層を貧しくさせながらその生活と心を侵食していくことは間違いないようです。