
- 作者:三田 紀房
- 発売日: 2009/08/10
- メディア: 文庫
ドラゴン桜の作者が書いた本ですが、タイトルで秀逸な結論が出ています。
現代人は「自由」「個性」「オンリーワン」などと言う、よくわからない概念こそが素晴らしい、という風潮に振り回されている面も多くあると思います。結果、自らの支離滅裂な思いつきと思い込みを、自由や個性と履き違え、その考えに執着して、逆に振り回されるようなこともあるかと思います。型にハマって苦労することもあるかと思いますが、逆に常に変化する世界を捉えるための型枠をもっていないために、振り回されて苦労することのほうがずっと多いのではないかと思います。
科学者は対象を表現するために、まず極限まで単純化したモデルを作ってから考えはじめますが、それと同じでまず大事なのは型(モデル)を作ることなのだろうと思います。最初からオリジナルの型を作ろうとするのではなく、まずは既存の型をマスターし、その型をさらに良いものへ柔軟に変化させていく姿勢が重要なのだろうと思います。もちろんその型にこだわりすぎると、型にハマって苦労することになるかとは思います。