このブログを始めたときのテーマは社会について考える「社会科学」だったはずなのに、最近は脳科学や認知心理学などの認知科学が自分の中での主要テーマとなっている。蟻の認知科学とでも改名しようか。
さておき、ブログの初期にメインテーマとなっていたのは「日本の少子化、高齢化、非婚化、無縁化」とそれらが引き起こす近未来の日本社会についてだった。それらをすべて包括的にかつ具体的に説明してくれているのが本書である。もちろんこのブログより詳しくわかりやすく面白い。
安倍首相が先の所信演説で少子高齢化を「国難」と表現したが、まさにその通りである。2100年の日本の人口は4000万~6000万と推定されている。あと80年ほどで約6000万人~8000万人ほど減る計算になる。人類史上これほど急激な人口減少と高齢化を経験したことはない。もちろん日本だけでなく世界中の国がこの問題にやがて突入していくわけではあるのだが・・・
重要なのはこれを「不都合な真実」として目をそらすことなく、自らに課せられた問題であるとして一人一人が、そして社会全体が考えなければいけないことではないだろうかと常々思っている。本書は日本の具体的な近未来を知り考えるための必読書である。