ウィキペディアによると
1991年(平成3年)厚生労働省が実態調査のために以下のような定義を設けた。しかし、各所で使用される「フリーター」という言葉は、依然として曖昧なままである。
* 年齢15歳から34歳(以下若年者)で、在学していない者のうち、以下の条件を満たす者
1. 現在就業している者については、勤め先における呼称が「アルバイト・パート」である雇用者
2. 現在無業の者については、家事も通学もしておらず「アルバイト・パート」の仕事を希望する者
1980年代頃から「縛られず自由に生きる前向きな若者=フリーター」という概念が生まれたような気がします。では「フリーター」のオルタナティブの存在である「正社員」という概念はいつ頃生まれたのだろうか?(少なくとも江戸時代には「正社員」という概念は存在していなかったのではないだろうかと思います。士農工商という絶対的階級は存在していたでしょうが。)戦後の高度経済成長の末に「フリーター」「正社員」という二項対立が生まれたのはいつなのだろうか?フリーターと正社員という二項対立の構図が社会の中で鮮明に浮き上がってきたのが1990年代以降なのではないだろうかと思います。
1990年代以前も何かしらの格差は存在していました。しかし「世界で一番成功した社会主義国家日本」「一億総中流」の風潮の中で「豊かな社会の中で自由に生きる自由人」として前向きな存在としてフリーターが存在していたと思います。しかし、1990年代以降の貧しくなる日本社会の中でフリーターは「単なる非正規労働の負け組み」となり、そのオルタナティブとして「正社員」というものが存在感を増したような気がします。
豊かになり続ける社会ではどんな人もヒーローだ。自営業やフリーターなどの自由に生きる人も、コツコツ会社員として生きる人も。経済成長のヴェールがすべての人を包んでくれる。しかし、ひとたび経済成長のヴェールが社会から取り払われてしまえば、「自由に生きる人≒フリーター」は単なる負け組と定義され、コツコツ生きる正社員が相対的に勝ち組と定義される社会です。しかし、これからの社会は正社員でもフリーターでも多くの人が貧しくなる社会です。(極端な言い方をすれば)これからは全員がフリーターだ!そんな社会の中で「フリーター」「正社員」という二項対立の構図は永遠に続くのでしょうか?
正社員であれば永遠の命を得られるわけでもなく、永遠の雇用が保証されているわけでもなく、永遠に昇給し続けるわけでもありません。フリーターなら即死するわけでもありません。(極端な言い方ですが)全員がフリーターのようなものになるとするならば、全員が「正社員より幸せなフリーター」を目指す時代というのも悪くは無いのではないかと思います。
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