格差社会論 その1〜世界同時多発デモ〜
格差社会論 その2〜世代間格差。老人が悪いのか?〜
格差が強調される現在です。「格差!格差!格差は悪!」という風潮です。格差が善とは言いませんし、生存が危ぶまれるほどの極端な格差はなるべく是正した方がいいとは思いますが。。。格差社会について考えます。
ジニ係数など格差に関する統計資料はここでは出しませんが、格差は以前から存在していました。江戸時代は格差社会どころか絶対的階級社会でしたし、戦後の高度経済成長期においても格差は存在していました。以前から存在していた格差が、なぜ今になってクローズアップされるようになったか。それは「経済成長のヴェール」が消滅したからだと思います。格差は以前からずっと存在していましたがその格差を覆い隠していたのが「経済成長のヴェール」だと思います。
アメリカでは「アメリカンドリームが実現出来る可能性がある社会」、日本では「一億総中流社会」と言われた経済成長期においては
「金持ちは金持ちだ。俺には関係ないさ。頑張って働いてればそれなりの生活が手に入るだろうし俺はそれで満足さ。」
と、社会全体が経済成長のヴェールで覆われていたので、格差が存在しても誰もさほど気にも留めなかったのかもしれません。しかし、経済成長が困難だとの認識が社会で広がり、経済成長のヴェールが取り除かれればヴェールの向こうに以前から存在していた金持ちが憎くてしょうがなくなってしまったのかもしれません。
格差社会とは「格差が存在する社会」ではなくて、「格差を見えなくしていたヴェールが取り除かれた社会」なのだろうと思います。格差社会を解決するには「共産主義的に格差を是正する」のではなく「格差を無視する自分の価値観、主体性を持った人が増加する」以外に無いのではないだろうかと思います。主体的な価値観を持てなくさせている、現代の画一的な社会システムこそが「格差社会」を生み出しているのではないのでしょうか。