「(未来が不安定な現代は)もはや誰もが臨時労働者である。」
「(これからの時代は)特定の目的のために特定の場所に人材が集結して、使命が終わると解散し、メンバーはそれぞれ次のプロジェクトに向かっていく」
「大勢の個人を常に戦力として抱える固定的な大組織は、戦力が常に入れ替わる小規模で柔軟なネットワークに取って代わられようとしている。」
ダニエル・ピンクのロングセラー「フリーエージェント社会の到来」に上記の趣旨が書かれています。安定した経済成長期に君臨した昭和的大企業ですが、現在の高速で変化するグローバル経済の中では、その巨大さと硬直した官僚主義により方向性を失い、徐々に解体されていっている感があります。ダニエル・ピンクの言うとおり、硬直した大企業が解体されていくのは何となく理解できますが、合理主義は国家さえも解体していくようです。
今から40年後、米サンフランシスコ沖の水平線に、いくつもの人工島が浮かんでいるかもしれない。住むのは、既存の国を見限った人たちだ。彼らは、環境や制度など自分の好みで島を選んで「社会」を営む。各島の「政府」は豊かさをもたらすために、企業のように競争する。(本文より引用)
平成維新の会の「維新八策」による地方分権活動も、上記の「人口国家群構想」と同じような、時代の大きなムーブメントなのかもしれません。「昭和的大企業の解体」「一極化から多極化へ」「小規模で柔軟なネットワークへ」は時代の潮流であり止めることも出来ないし、止めることがいいことかもわかりません。ただ時代の潮流は「国家」「大組織」というコスモス(秩序)から「小組織によるネットワーク」という新たな時代へ突入しつつあることは間違いないようです。