第1のパラダイムシフト「江戸幕府成立」〜鎖国の中の安定と疲弊〜
戦国時代を経て江戸幕府成立というパラダイムシフトの後、日本社会は安定を得ました。1600年代は社会の安定の下に行われた新田開発、人口増、経済成長で幕府と社会には希望と力強い活力が満ちていたようです。それが寛永文化、元禄文化という力強い文化を生み出す源になったのだろうと推測します。1600年代末〜1700年代頃からは新田開発の限界、社会システムの疲弊と天変地異が重なって社会の中に慢性的な閉塞感が生まれました。やがてそれは洒落と皮肉の頽廃的な化政文化に繋がりました。(今の日本のいわゆるアニメ漫画ゲームの文化と通じるものがあるのか・・・!?)
また一方では「宗教改革」「産業革命」「フランス革命」「アメリカ独立戦争」というパラダイムシフトを経てグローバリズムの嵐に突入した西洋社会が存在し、日本社会とはパラレルに進行しつつありました。そしてその「西洋文明」と「慢性的な社会の閉塞感が蓄積され続けた鎖国する江戸末期の日本社会」が歴史的な出会いを経て、「明治維新」という形で日本社会に新たなパラダイムシフトが生まれました。
第2のパラダイムシフト「明治維新」〜西洋との出会い〜
明治維新後、封建的な社会システムを色濃く残しながら「富国強兵」「殖産興業」「脱亜入欧」をスローガンに近代化に向かう「大日本帝国」。一方で自由民主主義システムで社会の近代化を進めていった「アメリカを筆頭とする西洋諸国」はやがて「全体主義vs自由主義」という形で第二次世界大戦で激突します。そして全体主義の枢軸国側の敗戦という結果に終わり、日本社会は自由民主主義陣営に組み込まれました。
第3のパラダイムシフト「自由民主主義社会」〜西洋社会の一員へ〜
第二次世界大戦後、米ソの「冷戦」という構造の中で、緊張しつつも世界は安定を得ます。そして日本社会に「西洋型自由民主主義社会システム」がアメリカによって導入されましたが、日本社会はそれを一瞬で我が物とし「経済成長一辺倒の社会システム」で1990年頃のバブル経済まで一直線で世界最高峰の経済大国まで上り詰めました。しかし、1990年代から「バブル崩壊の後始末」と「生産人口の減少」という2つの要因をきっかけに長期的衰退が始まったように思えます。
第4のパラダイムシフト「?」〜新たな時代へ〜
1945年から現在まで日本社会に蓄積されている「経済成長一辺倒の社会システム」「昭和的価値観」。またその対立軸として「バブル崩壊から現在まで日本社会で20年間蓄積され続けてきた負のエネルギー」がぶつかり合い、また新たなパラダイムシフトを起こしつつあると思われます。これから未来がどうなるかはわかりませんが社会の価値観が大きく変わっていく2010年代になることだけは確実だと思われます。
パラダイムシフト後の社会においては旧価値観と新価値観のぶつかり合いが往々にして起こります。第一のパラダイムシフト、江戸幕府成立後においては「江戸幕府」vs「旧豊臣勢力」の激突。第二のパラダイムシフト、明治維新後においては「秋月の乱」「神風連の乱」「西南戦争」という形で「明治政府」vs「旧幕府側」のイザコザが起こりました。しかし、第三のパラダイムシフトの「自由民主主義社会」の導入時においては不思議なことに大きな混乱が無かったように俺には理解できます。第四のパラダイムシフト期の現在は「成長しか知らない団塊世代」vs「成長を知らない団塊ジュニア、ゆとり教育連合」という新たな混乱期だと思われます。
今後、社会の主力になっていく1980年代中盤以降に生まれた人間の心に刻まれつつある「失われた20年がもたらした社会に対するニヒリズム」。それがどのような社会を作っていくのかはよくわかりません。しかし日本民族は第三のパラダイムシフトの後、混乱もなく現在の素晴らしい日本社会を作り上げたのですから、これから迎える第四のパラダイムシフト後もきっと良い社会を作り出すと信じたい。「ゆとり教育」「草食系」と揶揄される彼らこそが新たな明るい未来を作り上げてくれると思います。後世畏るべし!