蟻の社会科学

自由に生きるため、この世界を知ることを目的としたブログです。ビッグヒストリーを縦軸に、リベラルアーツを横軸に、システム思考を最適化ツールとして。興味を持った方はガイドラインからどうぞ。email:arinkoblog@gmail.com

日本政府は財政破綻するか?!その2

日本政府は財政破綻するか?!その2。

「日本政府は財政破綻するか?」という問題はもはや禅問答に近い、答え無き論争のような気がします。「財政破綻」をどう定義するかによって答えが大きく変わるので、故に答えがない禅問答に近い論争になっているのでしょうか。
 「財政破綻」を「日本政府の債務不履行」と定義するならばその可能性は「現時点では」ほとんどないと言えるでしょう。数百兆円の日本国債のほとんどが円建てで発行されている以上、日銀が日本国債を買い取って「円」を刷れば短中期的には日本政府は債務不履行を起こすことは有り得ないと思います。正確にはお札を造幣局で実際に刷るわけではなく政府や日銀の帳簿の数字を書き換えるだけ、もしくは政府や日銀のパソコンのハードディスクの数字を書き換えるだけの作業ですが。
  しかし、短中期的に帳簿上破綻しないからといってそれで全てが解決なのでしょうか?「国や企業の帳簿が社会を作るのでなくて、現実社会の蓄積が国や金融機関や企業の帳簿というバーチャルに反映される」と俺は考えています。国の帳簿と実社会が密接に繋がっているのは事実ですので「ニワトリが先か卵が先か」というように「国の帳簿が社会を作るのか、社会が国の帳簿を作るのか」どちらかとは断言は難しいです。しかし、帳簿上絶好調だった思われる戦後60年の繁栄の果てに、現在は「少子高齢化で縮小する経済」「老齢人口の増加による社会保障費の増加」で帳簿上ヤバイ日本になっています。そのことを考えると、やはり「国や企業の帳簿が社会を作るのでなくて、現実社会の蓄積が国の帳簿に反映されている」と考えることが妥当かと思います。リフレ派、増税派、帳簿原理主義者が「帳簿が改善すれば経済成長、社会の改善」と唱えているように思いますがそれはこの60年の成長と繁栄の果ての現在の社会の凋落を全く説明できていないと思います。
 「日本政府は財政破綻するか?」という命題に対しては「帳簿上は短中期的には破綻することはない」と言えますが、「現実社会レベルでは既に破綻に近い状態が生まれていて、さらに近未来、デフォルトを避けるために帳尻合わせで国の帳簿を書き換えることが実社会をさらに混乱に陥れることは避けられない。長期的には帳簿上でも破綻する下地が出来ている。」と言えると思います。急増する高齢者と無縁と孤独死、若者の不安定雇用、非婚化と少子化etc・・・これら現実社会の破綻が、遠くない将来日本政府の帳簿上でも破綻を招くと思います。帳簿の破綻が現実社会の破綻を招くのではなく現実社会の破綻が帳簿の破綻を招くと思います。

 極端な話ですが俺は政府の帳簿のつじつまが合うか合わないかなんて、もはやどうでもいい問題だと思っています。政府が財政破綻したからといって日本列島が沈没するわけでもありませんし、破綻した瞬間に日本人全員が即死するわけでも太陽が消滅するわけでもありません。第一次世界大戦後にハイパーインフレになったドイツ、近年ではアルゼンチンやロシアもデフォルトしましたが今でも立派に国家として存在しています。日本も第二次世界大戦後に何もない焼け野原になり、その上、日本政府の国債の一気償還によるギャロップインフレで国民の金融資産はほとんど無価値になりました。しかし、「無一文+焼野原」という過酷な状態から奇跡とも言える復興を遂げて、現在は世界第3位のGDPの国家として立派に存在しています。
  暗くなる必要は全くないと思います。日本政府が帳簿上破綻しても日本列島は沈没しませんし、太陽もなくなりません。帳簿に大きく左右されない新しい生き方と社会を考えるいい時代なのかもしれませんね。