蟻の社会科学

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【77冊目】哲学がわかる因果性

哲学がわかる 因果性 (A VERY SHORT INTRODUCTION)

哲学がわかる 因果性 (A VERY SHORT INTRODUCTION)

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 私たちがこの世界を認識するための最も基本的なフレームは因果関係です。私たちの脳は先天的に、因果関係をうまく把握できるようにカスタマイズされています。突き詰めると量子力学レベルでは因果性というものが成り立たなくなるようですが、私たちが生きる日常生活レベルでは、因果関係の把握が最も基本的かつ重要な物事の認識方法となるでしょう。本書は初学者にも理解できるように、因果について広く哲学的に検討しています。
 A→B→C という単純なモデルでさえ哲学的に様々な方向から検討することが可能であることを教えてくれます。18世紀の哲学者デビッド・ヒュームの経験主義哲学を叩き台として、因果性と相関性、物理主義と関係主義、還元主義と創発主義、必然性と偶然性、決定論と非決定論的因果性、傾向性主義、半事実的依存性、必要条件と十分条件など、因果というものをありとあらゆる視点から説明してくれます。
 人はこの世界が因果によって成り立っているということ自体、特に明瞭には意識せず、なんとなく生きているのかもしれませんが、因果関係の把握こそが全ての基礎となるということを明瞭に意識して考えるときに、本書はその道しるべとなると思います。