蟻の社会科学

自由に生きるため、この世界を知ることを目的としたブログです。ビッグヒストリーを縦軸に、リベラルアーツを横軸に、システム思考を最適化ツールとして。興味を持った方はガイドラインからどうぞ。

ミランコビッチ・サイクルとリベラルアーツ

 ミランコビッチサイクルとは、地球の公転軌道と自転のブレ(歳差運動)によって地球の日射量や気温が数万年~十万年単位で変化することを示した理論です。地球は太陽の周りを回っていますが、その軌道は真円ではなく楕円軌道であり、約十万年のサイクルで太陽に近づいたり遠ざかったりしています。また地球はコマのように自転していて、二万五千八百年周期でコマのように首ふり運動を行っています。この公転と自転のブレに影響されて地球の気温や環境は数万年~十万年サイクルで大きく変化しています。
 地球温暖化という問題を考えるときでも、多角的に物事を考えることが出来ないと、その原因を「人間の活動による温室効果ガスが問題だ!」という一つの視点だけで結論を出してしまうかもしれませんが、ミランコビッチサイクルを知っていると「確かに人間の活動による温室効果ガスは大きな原因だろうが、地球の公転軌道の変化や歳差運動の影響も考慮に入れなければいけないかもしれないし、すぐに断定は出来ないな。太陽の活動量の変化の影響とかもあるかもしれないし。」と多角的に灰色の仮説を何個も組み立てることが出来るかもしれません。
 リベラルアーツとは様々な教養を身につけて、アナロジーを用いて多角的に物事を検討し、解決方法を見出す能力を磨くことです。ミランコビッチサイクルの話を聞いて「だから何だ。そんなの自分の生活に関係ない。」と思えば世界は広がることはありませんが、「へえ~!」と感心して興味を持てば、また別の機会にミランコビッチサイクルのアナロジーを用いて、何かの問題解決に役に立つことがあるかと思います。世界に対して心を開いて「へえ~」と思うことを増やすことはとても重要だなと思います。

山口周「独学の技法」より引用

 テクノロジーはどうしても必然的に専門家を要請します。(中略)もし教養という概念を科学的知識のスペシャリゼーションというものと対立的に考えれば勝負は見えていると思う。それは教養側の敗北でしかない。しかし、教養というものは、専門領域の間を動くときに、つまり境界をクロスオーバーするときに、自由で柔軟な運動、精神の運動を可能にします。専門化が進めば進むほど、専門の境界を越えて動くことが出来る精神への能力が必要になってくる。その能力を与える唯一のものが、教養なのです。だからこそ科学的知識と技術・教育が進めば進むほど教養が必要になってくるのです。    加藤周一「教養の再生のために」

関連記事
リベラルアーツについて

web拍手 by FC2