蟻の社会科学

自由に生きるため、この世界を知ることを目的としたブログです。ビッグヒストリーを縦軸にリベラルアーツを横軸にシステム思考を最適化ツールとして。興味を持った方はガイドラインからどうぞ。

仕事を覚えられない人と仕事を説明できない人

 抽象的なことばかり書いていてもあれなので、たまには具体的で実生活の役に立ちそうなことを書いてみようと思います。

 「仕事を覚えられない。」「仕事をうまく教えられない。うまく説明できない。」という悩みはいつの世も絶えることはありません。また同時に「なぜあの人はうまく説明してくれないんだろう。」「なぜあの人は何度同じことを言ってもわかってくれないんだろう。」という悩みがなくなることもないでしょう。
 多くの場合、その原因は「地図がないこと」ということになるかと思います。地図というのは業務の全体像のことであり、フローチャートのことです。見知らぬ土地へ行った時に素早く正確に行動するためには下記の4つの情報が必要になります。

①地図(全体像、フローチャート
②現在地
③道順
④目的地

同じように新しい仕事を教わるとき、教えるときも地図(全体像)がないと早く正確に理解したり、教えたりすることは困難です。
 
 例えば、「2週間でプロセスが1~7まである仕事」というのがあり、その仕事を新人に説明するとしましょう。(下図)
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第一週の月曜日から始まり、第二週の金曜日で終わりです。プロセス1から説明をすることが出来ればいいのですが、例えば今日が第二週の火曜日だとしたら、プロセス5の説明から始めなければいけないということも多いでしょう。その時はプロセス5をいきなり説明するのではなく

(1)この仕事はプロセスが1から7まであること
(2)今日は日程の都合上、プロセスの5を説明すること

この2点を伝えるだけでも相手は全体像、現在地、目的地のイメージをつかむことが出来てより早く理解できます。
 人の脳には「思いついた順に、または目の前にあることから説明をしてしまう。」という特徴があります。上記の例では「プロセス1から7まであることを説明せずに(全体像や目的を説明せずに)、いきなりプロセス5を説明した後に、思い出したようにプロセス1だけを説明し、翌々日の木曜日にプロセス6を説明してしまう。」というような感じです。教える方はこの業務の地図(全体像)、現在地、目的地がわかっているのですが、教わる方は業務の地図、現在地、目的地がわからずに混乱してしまいます。
 業務の説明や引継ぎがうまくいかない場合、多くはこれが原因となっているのではないかと思います。教える側、教わる側、お互いに「共通の地図を作る」というコンセンサスの形成をまず行うことで、教育や引継ぎがよりスムーズになるかと思います。もちろん最初から完全な地図を作ることは出来ないので、何度もフィードバックを行いながら地図の精度を高め、範囲を拡大していくことが重要です。

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