蟻の社会科学~リベラルアーツとロジカルシンキング~

自由に生きるため、この世界を知ることを目的としたブログです。ビッグヒストリーを縦軸にリベラルアーツを横軸にロジカルシンキングを最適化ツールとして。興味を持った方はガイドラインからどうぞ。

【62冊目】知能はもっとあげられる ダン・ハーリー

知能はもっと上げられる : 脳力アップ、なにが本当に効く方法か

知能はもっと上げられる : 脳力アップ、なにが本当に効く方法か

 近年「脳トレ」などで脚光を浴びつつある知能向上の科学。その知見を用いて知能を上げることが出来るかどうかを科学ジャーナリストのダン・ハーリーが実践してみたのが本書です。
 本書の前半では知能向上に効果があるとされる方法の紹介となっています。
①Nバック課題・・・脳トレのゲームのようなもの
②ルモシティ・・・ウェブ上で行う脳トレのゲーム
③運動・・・運動が脳に効果的と言われている。
④音楽・・・音楽が脳に効果があるということで楽器の練習を行う。
⑤マインドフルネス(瞑想)・・・瞑想が脳に効果的と言われている。
⑥ニコチンパッチ(タバコではない)・・・脳の覚醒効果があるとされる。
⑦IDCS・・・脳に電気的刺激を与えて脳を活性化させる。 
 後半はアメリカ認知科学会内での "知能はトレーニングで向上する派" と "知能は生まれつきだから向上しない派" との論争がメインとなっています。学会内の論争の論点を思いっ切り単純化すると脳トレで知能は向上するか。また知能が向上した場合、その能力は実生活で生かすことが出来るか?という点になるかと思います。結論としては「知能向上の科学自体が新しい分野なので断言することは難しい。しかし一定の効果はあると多くの科学者が認めるところである。」ということになるかと思います。また上記のトレーニングを一部実践したダンハーリーの結論としては「私は頭が良くなったような気がする」ということでした。
 個人的な意見としては脳トレでの知能向上にそこまでこだわる必要があるのだろうかと思いました。脳トレの効果は確実にあると思いますが、 " 読書 " "クリティカルシンキング(批判的思考)" "ロジカルシンキング(論理的思考)" "ラテラルシンキング(水平思考) "演繹と帰納" "抽象と具体" などと呼ばれる思考テクニックのトレーニングと習得のほうがよっぽど手っ取り早いのではないかと思います。変な例えですが、原始時代で一番頭がいい人より現代の小学生のほうが計算問題においては原始人より得意だろう・・・。地頭(流動性知能)も大事ですが、知識や経験やテクニック(結晶性知能)のほうがより大事なのではないかと思います。