蟻の社会科学~リベラルアーツとロジカルシンキング~

自由に生きるため、この世界を知ることを目的としたブログです。ビッグヒストリーを縦軸にリベラルアーツを横軸にロジカルシンキングを最適化ツールとして。興味を持った方はガイドラインからどうぞ。

モデルとは何か?

モデルを用いた思考
 より深く論理的思考を行うために非常に便利なのが「モデル(模型)」を利用した思考法です。学者、研究者、システムエンジニア(特に上流工程)、コンサルタントなど理論や概念や抽象的思考を取り扱う職業には必須の思考法と言えるかと思います。しかし前述のような複雑な思考を必須とする職業でなければモデル思考を出来ないというわけではありません。トレーニング次第で誰でもある程度はモデル思考をできるようになると思います。モデルを使った思考のエッセンスを日々の生活に取り入れれば深い思考に基づいての行動が出来るようになり、仕事やプライベートでも今までとは違う可能性の扉が開くかもしれません。

モデルとは何か?
 僕たちが生きているこの世界はあまりにも複雑です。宇宙、物理現象、世界情勢、政治、経済はもちろん、日々の仕事や身の回りの日常生活でさえ複雑で把握しきれないことがたくさんあります。この世界で生じる様々な事象は複雑すぎて理解出来ない!複雑で理解できないのなら理解できるように単純にしてしまえ!という発想がモデルです。事象を構成する要素の中から" より重要で 本質的で 根源的 " と考えられる要素だけを帰納法で取り出して捨象し抽象化し単純化純化する。その単純化した要素がそれぞれどのような相互関連性や因果関係にあるのかを示したものがモデルであり、それを利用して考えるのがモデル思考です。

モデルについての具体的な説明
 話がかなり抽象的になりましたので、具体例を用いてモデルについて考えてみたいと思います。f:id:pochi0326:20170723093919j:plain
 上記の図は認知心理学脳科学系の本を参考に作成した人間の思考の図(モデル)です。人間の思考という極めて複雑なものを感情、思考、知識という三要素に強引に分類しています。このモデルに対し「人間の思考は複雑だよ。人間の思考を三要素だけで表すなんて不可能だし、間違っている。」という罵りを受ける可能性もあるでしょう。しかし人間の思考について考えるとき  "人間はこういう場合はこう考える"   "ああいう場合はああ考える"  "そういう場合はそう考える"  というように無数の具体的な事象を観察するだけでは細部に惑わされて本質が分からなくなります。帰納法で徹底的に捨象して本質的かつ根源的な要素を取り出すことにより初めて、人間の思考という極めて複雑な事象に対してアプローチできるのではないでしょうか。例えば物理学では「ただし摩擦は考えないものとする」という現実的にはあり得ない前提条件を想定し、事象をより単純化して本質にアプローチしたりします。例えば経済学では貿易について考えるときなどに「この世界にはA国とB国しか存在しないとする。またA国が生産するのはA財のみ、B国が生産するのはB財のみと仮定する。」という極限まで単純化したあり得ない前提条件のもとに貿易について考えることで、よりシンプルに貿易の根源的な部分にアプローチします。
モデルと論理的思考
 抽象化されたモデルを用いての事象へのアプローチは第一段階です。「机上の空論」「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きているんだ!」という言葉もあるようにモデルはあくまで抽象化された理論でしかありません。第二段階では単純化された抽象的なモデルを徐々に具体的なモデルへ細分化していきます。"モデルという抽象的な理論"と"現実という具体的な事象"との比較を行い抽象的理論と具体的現実のズレを何度も修正しながらモデルをブラッシュアップしていくことでその事象への理解が深まっていきます。このような抽象と具体の往復運動、理論と現実の往復運動から生み出されるプロットこそが論理的思考、ロジカルシンキングそのものだと思います。

モデルの種類
 重要で本質的で根源的な要素を抽象化して取り出して表示するのがモデルですがその表現方法はたくさんあります。例えば
①数式   
E=mc^2(エネルギー E = 質量 m × 光速度 c の2乗) 
アインシュタインの「質量とエネルギーの等価性」の数式です。エネルギーと質量と高速度の関係を極めて単純な数式で示しています。(ちなみに僕は上記の式について全く理解できません(笑) 理解できませんが一例として紹介させていただきました。)
②図
図解を用いて要素と要素の相互関連性や因果を示します。前述の思考のモデル図や下記の環境のモデル(wikipediaより引用)などがあります。

③例え話
 複雑な分かりにくい内容を、比喩によって具体的なものの話に置き換えて分かりやすく説明する、短く簡潔な物語のことを例え話と言います。古代中国で学者は王に何かを説明するときは例え話を用いて物事の核心を伝えていました。西洋にも有名なイソップ寓話など物事の核心を伝えるための物語がたくさんあります。

このブログでもモデルを利用していますので参考までに記載します。


漁師とビジネスマン 資本主義と幸福について(例え話を用いたモデル)
リフレ論とベビーシッター協同組合(例え話を用いたモデル)
藤沢数希氏の経済のモデル(例え話を用いたモデル)
経済の考え方(図を用いたモデル)
我々が働く理由(図を用いたモデル)
非婚化の時代(一部数式を用いたモデル)

 このように不要な部分を徹底的に削ぎ落し物事の根幹となることだけを取り出すモデル思考法を身につけることで様々な場面で物事の本質から問題を考えることが出来るようになります。