蟻の社会科学

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日本の賃金低迷は経済学者の失敗=ポーゼン氏


http://jp.wsj.com/articles/SB10852749850658553280504582117942519701850

【ワシントン】日本の安倍晋三首相がデフレからの脱却を公約し日本銀行が大規模な緩和措置を導入してから3年余りたつが、この試みを特に楽観していた一人が戸惑いを示した。
 ピーターソン国際経済研究所のアダム・ポーゼン所長はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のインタビューに対し、予想に反してインフレは上昇しておらず、賃金はあまり上がっていないと認め、「これは日銀や日本にとってだけでなく近代マクロ経済にとって現実の試練だ」と語った。
 ポーゼン氏は「これは安倍首相の失敗ではなく、私自身や経済学を専門とする仲間たちの失敗だと思う」と述べ、「われわれが言おうとしたことの多くが、考えたほどの良い効果をあまり上げなかった」と話した。(後略)

 アベノミクス、リフレ派に対しての穿った見方の記事は何度も書いてきたが久しぶりに書いてみよう。上記の記事でアダム・ポーゼン氏は経済学者の失敗と語っているが若干違うと思う。従来の経済学が暗黙の前提としていた基礎的前提条件が崩壊しつつあるという言い方のほうが正しいのかもしれない。経済学が前提としていた社会モデルが崩壊しつつあると言うか。経済学は合理的経済人というあり得ないモデルを人間の前提としているが、社会モデルはどのようなモデルを前提としているか僕はよくわからない。推測すると恐らく黄金の20世紀のニューファミリーを社会の主体とした社会モデルを前提としているのではないか。1950年代のアメリカのホームドラマ「パパは何でも知っている」の家族や、「クレヨンしんちゃん」の野原家のような家族を社会の主要構成員として想定しているのではないか。
 日米で中流階級の減少と言われて久しいが、20世紀のニューファミリーを主体とした社会が21世紀に入り大きく形を変えようとしている。高齢者や独身者の割合が増え少子化が進み、人口減少というステージへ入っている。社会は格差が開きつつ全体としては総下流へ一直線なのが現状だ。そんな時代の中、金融政策だけで、コンピューター上の数字を操作するだけで社会をどうにかできるのではないかという考えのリフレ政策がうまくいかないのは当然のことだと思う。経済学者が経済を動かせると思っているところに問題があるのではないだろうか。
 かと言って対案があるわけでもなく・・・

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