蟻の社会科学~リベラルアーツとロジカルシンキング~

自由に生きるため、この世界を知ることを目的としたブログです。ビッグヒストリーを縦軸にリベラルアーツを横軸にロジカルシンキングを最適化ツールとして。興味を持った方はガイドラインからどうぞ。

【40冊目】ヨーロッパ「近代」の終焉〜山本雅男

 「縄文時代」「ビッグバン」「ヨーロッパの中世」「古代メソポタミア」「平安時代」「アメリカ建国の経緯」「ジュラ紀白亜紀」「三国志」「ミトコンドリアイブ」「インカ帝国」「カンブリア爆発」「スノーボールアース」「江戸時代」・・・などなど日本にも世界にも地球にも宇宙にも様々な歴史や物語がある。それらの物語を学ぶ時、実際に見たこともない遠い世界の話なのに結構すんなりと頭に入ってくる。(それらの学説が正しいかどうかは別問題だが。)
「江戸時代の人ってこんなこと考えてたんだなぁ」
「へぇ、人類はアフリカから出てきて世界中へ旅に出たんだなぁ」
インカ帝国ってヨーロッパによって滅ぼされたんだなぁ」
縄文時代って埼玉の辺りまで海だったんだ!」
「地球が完全に凍結した白い惑星だったことがあるんだ!」
などなど俄かに信じられないような出来事も案外すんなりと理解できる。何故なら我々はそれらの社会とは別の社会に生きているので、それらの過去の時代や社会を外側から客観的に見ることが出来るからだ。
 ところが同じような感覚で「現代社会」を考えようとすると途端に、非常に困難になってしまう。何故なら我々は現在進行形で社会の内側に存在しているからだ。人それぞれ強い主観性や世界観を持ちながら社会の内側に存在しているので、その主観世界観を排除して客観的に外側から社会を考えるのは結構難しい。故に現代社会を考えるときには「いや〜政治が悪いんだよねぇ・・・」とか「景気が良くなればねぇ・・・」とか近視眼的、即物的な考えがついつい頭に浮かんでしまう。森に入って森を見ずと言うか。

 本書は客観的視点で現代社会を考えるためのうってつけの入門書である。我々が生きている社会がヨーロッパ発の自由民主主義社会であるということを手がかりとして、その社会がどのように発生し、どのように変化し、どこへ向かうのかを客観的に考えるための必要な材料が一通り書かれている。
 内容的には大学生向けの入門書なのかもしれないが、現代社会を客観的に考えるためのキッカケとしては本書のような入門書で十分だろう。現在の日本では社会の弱体化と共に得体の知れない先鋭的な思想がはびこりつつある。そのような思想にハマル前に、基本に立ち返って「ヨーロッパ発の近代とは何なのか?」をシンプルに冷静に考えることこそが、社会を考える際に有用なのではないだろうか。

ヨーロッパ「近代」の終焉 (講談社現代新書)

ヨーロッパ「近代」の終焉 (講談社現代新書)