蟻の社会科学

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豊かさの中の停滞

 偉大な経済学者であり哲学者でもあるケインズ。「IS-LM分析」「アニマルスピリット」「(エリートによる)管理通貨性」・・・などなどケインズ現代社会にも通用する様々な概念を生み出したと思います。経済のグローバリゼーションの潮流の中で、ナショナルエコノミーに主眼を置いたケインズ主義がもはや旧時代の遺物のように思われるかもしれませんが、ケインズが真に危惧していたのはナショナルエコノミーの充足による豊かな時代の「後の時代」だと言われています。


「(1930年代現在の)この不況はやがて解決する。」
「(この不況を乗り越え)先進国は豊かさを実現するが、豊かさを実現した故に、その後にもはや求めるものが何もない停滞の時代を迎える。」
「その停滞した「退屈」な時代こそが真の問題だ。」


 ジョン・スチュアート・ミル広井良典が考える「豊かな停滞した社会」「愛や友情や文化を重視する社会」にはまだまだ到達することは出来そうもありませんが、しかし、どう考えてもケインズがいう「豊かさの中で停滞する社会」に我々は至っているのではないかと思います。
 永遠に成長することなど誰がどう考えても不可能なのですから、ケインズが提唱する真の問題「豊かな社会の停滞」と「停滞する社会の中での豊かさ」を考えなければいけないのかなぁと思います。
 とは言え「成長=豊かさ」という考えを心の奥底まで刻印された時代を一朝一夕で変えることも非常に困難というか不可能というのも事実なのではありますが・・・