蟻の社会科学~リベラルアーツとロジカルシンキング~

自由に生きるため、この世界を知ることを目的としたブログです。ビッグヒストリーを縦軸にリベラルアーツを横軸にロジカルシンキングを最適化ツールとして。興味を持った方はガイドラインからどうぞ。

カオスの深淵 3月1日「仮想マネーで生きていく」

 主に西洋社会の人類が数百年進めてきた一大プロジェクト「自然科学と人間の統合(合理主義、Americanism)」。科学と論理と理性によって社会の全て、人間の思考さえも合理化しようとする一大プロジェクト。
 その合理性と緻密な論理は人間に「自由と権利」と言う普遍的な権利を与え、宗教や王様を社会の主役から引き摺り下ろし、過去の非合理的な社会と決別した「自由民主主義社会」を作り上げる大きな原動力となりました。そして科学技術の発展、経済学の発展などにより人類(主に先進国)をかつて無いほどの高みへと押し上げました。
 しかし、現在では徹底的な合理主義社会がもたらした負の遺産(少子超高齢化社会無縁社会、新たな格差社会、金融資本主義など・・・)が社会をコスモス(秩序)からカオス(混沌)に陥れています。そのカオスの源を探る朝日新聞の連載シリーズ「カオスの深淵〜市場の正体〜」について俺なりに考えてみたいと思います。
 ネットゲームにはまる人がネットゲームで得た「仮想マネー」を現実社会の「円」に変えるRMTリアルマネートレーディング)。ネットゲームで戦い、経験値を稼ぎ、ネットゲームで得た武器やアイテムを現実社会で「円」に変える行為。それは何か危ないオタクのアンダーグラウンドの世界に感じるかもしれません。
 しかし、その怪しいRMTを現実社会でしかも大規模に行っているのが世界中のヘッジファンドであり、個人投資家です。(広義では世界中の金融機関も含まれるのかもしれません。)カネはもはや世界各国の中央銀行の帳簿や世界各国の政府の帳簿の上や、個人の通帳に存在するものではなく、現実社会とは遊離した遠い世界を果てしなく彷徨う存在なのでしょう。 
 「石高制」「金本位制」「ブレトンウッズ体制によるドル本位制」「ニクソンショックから管理通貨制」。
 カネはその時代において、何かしら現実社会の巨大な存在や権威との繋がりを持ちながらその存在を根拠付けられていました。しかし、現在の社会においては中央銀行や政府から遊離した存在で、現実社会のどこにも根拠を持っていません。カネはもはや現実社会との繋がりは持たず、仮想空間を漂っています。そしてその仮想空間を漂うカネが政府などの現実社会すら支配しているのが「市場の正体」だと思います。
 「仮想空間を漂うカネ」をもう一度現実社会の活動と結びつけることが、カネを労働と消費を媒体する単なる交換手段にすることが、21世紀のカネの価値であり、カネの在り方となるのではないかと俺は思います。
 (俺はカネはたくさん在ればいいと考える俗物なのでヘッジファンドやカネを頭から否定するわけではありません。「人間はカネのために生きているんじゃない!」とは感情的には言いません。カネのために生きているわけではありませんが、カネは沢山あればいいんじゃないのかな〜?問題はそのカネをどう使うかであって。)