蟻の社会科学~リベラルアーツとロジカルシンキング~

自由に生きるため、この世界を知ることを目的としたブログです。ビッグヒストリーを縦軸にリベラルアーツを横軸にロジカルシンキングを最適化ツールとして。興味を持った方はガイドラインからどうぞ。

カオスの深淵 2月29日「市場は膨らむ。不安も膨らむ。」

 主に西洋社会の人類が数百年進めてきた一大プロジェクト「自然科学と人間の統合(合理主義、Americanism)」。科学と論理と理性によって社会の全て、人間の思考さえも合理化しようとする一大プロジェクト。
 その合理性と緻密な論理は人間に「自由と権利」と言う普遍的な権利を与え、宗教や王様を社会の主役から引き摺り下ろし、過去の非合理的な社会と決別した「自由民主主義社会」を作り上げる大きな原動力となりました。そして科学技術の発展、経済学の発展などにより人類(主に先進国)をかつて無いほどの高みへと押し上げました。
 しかし、現在では徹底的な合理主義社会がもたらした負の遺産(少子超高齢化社会無縁社会、新たな格差社会、金融資本主義など・・・)が社会をコスモス(秩序)からカオス(混沌)に陥れています。そのカオスの源を探る朝日新聞の連載シリーズ「カオスの深淵〜市場の正体〜」について俺なりに考えてみたいと思います。
 あくまで原理的には、カネは労働(供給)と生活(需要)を結ぶための媒体でしかないと俺は思っています。現在のカネはその媒体機能を飛び越えて無限増殖しています。それが現代社会なのかもしれません。

 100人の村があったとして、必要な物資を交換するために物々交換では不便なのでカネが生まれました。カネ(金貨)がその村に10枚しか存在していなかったら、供給と需要を賄うために十分な量とは思えません。カネ(銅貨)が1000枚ぐらいあれば供給と需要を円滑に交換できると想像できます。その村で新たな技術やサービスが発明されて供給と需要が増えたり、または村の人口が100人から200人に増えた時、その需要と供給に応じて労働と消費の交換を円滑に行うために2000枚、3000枚と増えていったのがカネなのだと思います。(現実はこんな単純なモデルでは表すことは出来ませんが。)

 「1995年世界のGDP総額は約30兆ドルで、市場にあるお金は約72兆ドルだった。だが15年後、(世界のGDP総額は)33兆ドル増えたが、市場のマネーは140兆ドルも膨らんだ。」(記事より引用)
 
 現在は供給と需要の拡大をはるかに上回るペースでカネが生み出されています。この実需をはるかに上回るカネの出所は一体どこなのか?と考えたときに「根拠は無い!」と考えるほかありません。しかしこの根拠の無い現実社会とのつながりを持たないカネこそが現代社会のカネであり、もはやカネが何なのか訳がわかりません。カネとは一体何なんだろうか・・・?