蟻の社会科学~リベラルアーツとロジカルシンキング~

自由に生きるため、この世界を知ることを目的としたブログです。ビッグヒストリーを縦軸にリベラルアーツを横軸にロジカルシンキングを最適化ツールとして。興味を持った方はガイドラインからどうぞ。

カオスの深淵 2月28日「みんな格付けにすがってる」

 主に西洋社会の人類が数百年進めてきた一大プロジェクト「自然科学と人間の統合(合理主義、Americanism)」。科学と論理と理性によって社会の全て、人間の思考さえも合理化しようとする一大プロジェクト。
 その合理性と緻密な論理は人間に「自由と権利」と言う普遍的な権利を与え、宗教や王様を社会の主役から引き摺り下ろし、過去の非合理的な社会と決別した「自由民主主義社会」を作り上げる大きな原動力となりました。そして科学技術の発展、経済学の発展などにより人類(主に先進国)をかつて無いほどの高みへと押し上げました。
 しかし、現在では徹底的な合理主義社会がもたらした負の遺産(少子超高齢化社会無縁社会、新たな格差社会、金融資本主義など・・・)が社会をコスモス(秩序)からカオス(混沌)に陥れています。そのカオスの源を探る朝日新聞の連載シリーズ「カオスの深淵〜市場の正体〜」について俺なりに考えてみたいと思います。
2月28日「みんな格付けにすがってる」
 「需要と供給の拡大=実体経済の拡大」による経済成長から「カネの需要とカネの供給の拡大=金融経済の拡大」による経済成長に変わった現代社会。実体経済の拡大が見込める数十年前の社会では、カネはあくまで真面目にモノやサービスを供給する優良企業に流れていましたが、モノやサービスが供給過剰気味の現在では、もはやカネは行き場を無くし、完全に現実社会から遊離して仮想空間で拡大する金融市場で彷徨っています。
 実体経済拡大期ではカネが流れる目安は「企業の技術力」など、現実社会での実際の活動が指標となっていましたが、現在の金融経済拡大期ではカネが流れる目安は「格付け会社の格付け」になりました。
 格付け会社の格付けは、カジノ資本主義、金融市場というチキンレースの中で、「マラソンのペースメーカー」のような存在でありペースメーカーがいつペースを変えるか、いつマラソンから離脱するかを計るための目安でしかない存在です。ペースメーカーが作る金融市場。そのペースメーカーの判断次第で乱高下する実体経済
 その中で我々は生きているようです。さらには人生そのものをそのペースメーカーに預けているのかもしれません。