蟻の社会科学~リベラルアーツとロジカルシンキング~

自由に生きるため、この世界を知ることを目的としたブログです。ビッグヒストリーを縦軸にリベラルアーツを横軸にロジカルシンキングを最適化ツールとして。興味を持った方はガイドラインからどうぞ。

カオスの深淵 2月27日「あなた好みの国 造ります」

 主に西洋社会の人類が数百年進めてきた一大プロジェクト「自然科学と人間の統合(合理主義、Americanism)」。科学と論理と理性によって社会の全て、人間の思考さえも合理化しようとする一大プロジェクト。
 その合理性と緻密な論理は人間に「自由と権利」と言う普遍的な権利を与え、宗教や王様を社会の主役から引き摺り下ろし、過去の非合理的な社会と決別した「自由民主主義社会」を作り上げる大きな原動力となりました。そして科学技術の発展、経済学の発展などにより人類(主に先進国)をかつて無いほどの高みへと押し上げました。
 しかし、現在では徹底的な合理主義社会がもたらした負の遺産(少子超高齢化社会無縁社会、新たな格差社会、金融資本主義など・・・)が社会をコスモス(秩序)からカオス(混沌)に陥れています。そのカオスの源を探る朝日新聞の連載シリーズ「カオスの深淵〜市場の正体〜」について俺なりに考えてみたいと思います。
2月27日「あなた好みの国 造ります」
 「(未来が不安定な現代は)もはや誰もが臨時労働者である。」
「(これからの時代は)特定の目的のために特定の場所に人材が集結して、使命が終わると解散し、メンバーはそれぞれ次のプロジェクトに向かっていく」
「大勢の個人を常に戦力として抱える固定的な大組織は、戦力が常に入れ替わる小規模で柔軟なネットワークに取って代わられようとしている。」

 ダニエル・ピンクのロングセラー「フリーエージェント社会の到来」に上記の趣旨が書かれています。安定した経済成長期に君臨した昭和的大企業ですが、現在の高速で変化するグローバル経済の中では、その巨大さと硬直した官僚主義により方向性を失い、徐々に解体されていっている感があります。ダニエル・ピンクの言うとおり、硬直した大企業が解体されていくのは何となく理解できますが、合理主義は国家さえも解体していくようです。


 今から40年後、米サンフランシスコ沖の水平線に、いくつもの人工島が浮かんでいるかもしれない。住むのは、既存の国を見限った人たちだ。彼らは、環境や制度など自分の好みで島を選んで「社会」を営む。各島の「政府」は豊かさをもたらすために、企業のように競争する。(本文より引用)
 
 平成維新の会の「維新八策」による地方分権活動も、上記の「人口国家群構想」と同じような、時代の大きなムーブメントなのかもしれません。「昭和的大企業の解体」「一極化から多極化へ」「小規模で柔軟なネットワークへ」は時代の潮流であり止めることも出来ないし、止めることがいいことかもわかりません。ただ時代の潮流は「国家」「大組織」というコスモス(秩序)から「小組織によるネットワーク」という新たな時代へ突入しつつあることは間違いないようです。