蟻の社会科学

自由に生きるため、この世界を知ることを目的としたブログです。ビッグヒストリーを縦軸にリベラルアーツを横軸にシステム思考を最適化ツールとして。興味を持った方はガイドラインからどうぞ。

カオスの深淵 2月26日「市場 速さがカネを生む」

 主に西洋社会の人類が数百年進めてきた一大プロジェクト「自然科学と人間の統合(合理主義、Americanism)」。科学と論理と理性によって社会の全て、人間の思考さえも合理化しようとする一大プロジェクト。
 その合理性と緻密な論理は人間に「自由と権利」と言う普遍的な権利を与え、宗教や王様を社会の主役から引き摺り下ろし、過去の非合理的な社会と決別した「自由民主主義社会」を作り上げる大きな原動力となりました。そして科学技術の発展、経済学の発展などにより人類(主に先進国)をかつて無いほどの高みへと押し上げました。
 しかし、現在では徹底的な合理主義社会がもたらした負の遺産(少子超高齢化社会無縁社会、新たな格差社会、金融資本主義など・・・)が社会をコスモス(秩序)からカオス(混沌)に陥れています。そのカオスの源を探る朝日新聞の連載シリーズ「カオスの深淵〜市場の正体〜」について俺なりに考えてみたいと思います。
2月26日「市場 速さがカネを生む」〜フラッシュトレードについて〜 

古典的な考え方では
1.「カネ」そのものは価値があるものではない。
2.「カネとモノやサービスが交換できること」が保証されて「カネ」が社会で成立する。
3.「カネ」が「モノやサービス」と交換されたときに初めて「カネ」の価値が生まれる。
4.そして「モノやサービス」を生み出す「労働」こそが「カネ」の根源的な価値の根拠である。
というのが古典的な考え方だと思います。
 「一生懸命働いて稼いだお金こそ価値のあるものだ。」という考え方に労働者の俺は「ウンウンその通りかもしれないなぁ」と同意します。しかし、現代社会ではそんな牧歌的なのんびりとした価値観は全く通用しません。
 記事中で書かれているインフィニウム・キャピタル・マネジメントの最高執行責任者グレゴリー・アイクブッシュさん(44)によると「お金が儲かるプログラムがすべて。人間の判断は極力、織り込まない。」そうです。超高速光通信と高機能コンピューター、そして人間の主観を排除した超高速で売買を繰り返すプログラムこそが「カネ」を生み出す原動力のようです。世界各国政府と中央銀行が「国民のために」と市場に垂れ流すカネを高機能コンピューターと超高速売買プログラムで根こそぎ掻っ攫うのが現代社会のようです。
 単純に考えれば「なんて奴だ、ケシカラン!」ということになるかもしれませんが、俺は金はたくさんあればいいと考える俗物なのでカネをたくさん稼げて羨ましい・・とも思います。お金=労働という一般的な考え方は過去の遺物となりつつあるようです。。。結局、このようなヘッジファンドやシステムを生み出したのは超高度合理主義社会、末期合理主義社会であると思います。古い労働倫理だけを持ち出して「ケシカラン!」と言ってもどうにもならないと思いますし、このような流れを止めることすら不可能だと思います。
 しかし直感的に、このような超合理主義社会はそう遠く無い将来行き詰ると思います。カネという仮想空間を漂うものと現実社会を繋ぎ止める唯一のアンカー(錨)は人間とその労働だと思います。カネもドルやユーロや円などから形を変えて社会の中で流通する時代が来るのかもしれません。