蟻の社会科学~リベラルアーツとロジカルシンキング~

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【19冊目】人口から読む日本の歴史 鬼頭宏

 「人口学への招待 河野稠果」で人口学についての記事を書きましたが「歴史人口学」という学問もあるようです。「人口学」はどちらかというと鳥の目、マクロ視点でテクニカルに人口動態を考える学問ですが「歴史人口学」は蟻の目、ミクロ視点で日本の歴史を土台として日本の歴史的人口動態を考える学問のようです。人口学もいろいろな切り口があり奥が深い・・・。
 縄文期の日本列島における食料の分布や気温の変化から始まり、中世の日本社会や江戸時代の農村の世帯の結婚や子供の出産など、多岐にわたる学術的データからミクロ的基礎付けをして、日本の人口の推移を論じています。
 日本の人口の増加は4つの波として考えることが出来そうです。
1、縄文時代の気候の安定による人口増加
2、弥生時代以降の水稲耕作の普及による人口増加
3、室町時代辺りを起点とする経済社会の発展と、江戸幕府の成立(社会の安定)を背景とした新田開発(食料の増加)での人口の増加
4、19世紀から始まった工業化。そして栄養、医療、衛生の改善による人口爆発
 特に江戸時代の詳細なデータから導き出される社会の実態は現在の日本社会を考える上で非常に参考になりました。この本は捉え方によっては無味乾燥な学術的な本かも知れませんが、俺としては読み物として面白いと思いました。
 当時の時代の人の心理に思いを馳せながら日本の歴史を考え、そしてそれが現代の日本社会や少子高齢化問題とどのような関連性があるのかを考えるのも、現代の社会問題を論じる上で重要なのかもしれません。

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