蟻の社会科学

自由に生きるため、この世界を知ることを目的としたブログです。ビッグヒストリーを縦軸に、リベラルアーツを横軸に、システム思考を最適化ツールとして。興味を持った方はガイドラインからどうぞ。

日本のエネルギーの今後を考える

電気事業連合会のHP
http://www.fepc.or.jp/present/jigyou/japan/index.html
図1http://www.fepc.or.jp/resource_sw/pres_jigy_japa_inde04_l.gif
図2http://www.fepc.or.jp/resource_sw/pres_jigy_japa_inde01_l.gif
図3http://www.fepc.or.jp/resource_sw/pres_jigy_japa_inde02_l.gif
図4
エネルギー白書2010より引用

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今後の日本のエネルギーについて考えてみる。

 上記の電事連のHPの電力需要予測のページを覗いてみたところ、その中で「高齢化の進行によって、家庭の電力消費はますます増加すると予測されます」との下りがありますが・・・

(゚Д゚)???

 1995年を頂点に生産人口は減り続け、2005年を頂点に日本の人口は減り続け、2010年代の前半から中盤にかけて世帯数も減少に向かうのに「家庭の電力消費はますます増加すると予測される」とは、これいかに?
 図1を見ると1970年から1995年までに確かに「1世帯あたりの電力消費量」は2.5倍になっていますが1995年から現在まで完全に横ばいではないか?図2の「1次エネルギー国内供給量」と図4の「最終エネルギー消費」も1995年から横ばいではないか?現在、家電が省エネ化に進んでいます。今後「1世帯あたり300kw/月」の需要を超えて400kw、500kwに向かうとは、とても思えません。まして総人口、総世帯数がグングン減るのにエネルギーの総需要がますます増加するとは思えません。「家庭のエネルギー需要が減っても産業用のエネルギー需要は増える!」と言う意見があるかもしれませんが、輸出産業(主に製造業)のエネルギー需要の増加が国内のエネルギー需要の減少を上回るとも思えませんが・・・。
 図3で電事連は2014年、2019年の年間電力発電量を過大に見積もっています。そして原子力のエネルギー供給の割合を大幅に増やしています。オール電化住宅、電気自動車が普及すれば電力需要は伸びる可能性はあります。しかし、今回の原発事故で日本でも電気というエネルギーへの依存に疑問符が付いたような気がします。まして原子力発電については言うに及ばず。結論を言うと 日本で中長期的にはエネルギーの総需要が増えることはありえない! ので電力需要が伸びるかどうかは疑問です。
 今後の日本でエネルギーの総需要が増えないとしてもエネルギーは安定的に供給しなければいけないという問題があります。エネルギーを自給できない日本ですから海外から石油、石炭、LPGなどの化石エネルギーもしくはウラン等のエネルギーを輸入しないと、日本の莫大なエネルギー需要を満たすことは出来ません。どうせエネルギーを輸入しなければいけないならば、あえて原子力を重視する必要も無いと思います。まして核燃料サイクル高速増殖炉という人類の手に負えない永久機関、絵に描いた餅に執着する必要も無いと思います。今後日本でエネルギーの総需要が増えないのであれば時間をかけて原子力から自然エネルギー再生可能エネルギーへ転換し、エネルギーの自給率を可能な限り高め、足りない分を化石エネルギーで補えばいいのではないでしょうか。(化石エネルギーで足りない分を自然エネルギー再生可能エネルギーで補うとの表現のほうが正しいか。)そして、日本社会のライフスタイルも変えていけばいいのではないかと思います。(牧歌的な理想論であることは認識していますが)
 先日、東京電力メルトダウンを認めて、収束の気配が見えない福島第一原子力発電所の事故。今回の事故で原子力産業を取り巻く様々な構図がくっきりと浮かび上がってきたような気がします。原賠法を盾に事故の全責任を政府≒国民に押し付けようとする東京電力経団連自民党原子力を推進してきた「政、官、産、学、メディア」の五芒星が守ろうとするものがくっきりと浮かび上がったような気がします。俺は原子力推進派を全否定はしませんが・・・しかし原子力推進派はせめて福島第一の事故の終息の全体的な枠組みが見えてから原子力推進の意見を言ったらどうなのか?!事故の終息の見通しが全く立たない中で「経済!経済!」という建前で利権を守るために感情的に原子力推進をまくし立てるのはどうなんだ?!日本を動かす政治家や経産省は「原子力」という打ち出の小槌が生み出す利権からどれほど強い影響を受けているのだろうか。世界有数の地震国家日本に原発を建てるということは日本民族ユダヤ人やクルド人のように国土を持たない民族にする危険性を持っています。偉い人たちにはそこを十分に考えてエネルギー政策、及び日本の将来を考えていただきたいです。
 人間は数字に管理されて生きている訳ではありません。人間は数値化できない現実社会を生きています。「経済!経済!」と連呼する政治家等に言いたい。経済も大事だが、人間は経済によって生かされているのではなく、国土が存在し人間が生きているから経済が生まれるということを。