蟻の社会科学

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日本を思考停止させるシステム 総論(仮)(1)

日本を思考停止させるシステム ①東京一極集中というシステム(1)
日本を思考停止にさせるシステム①東京一極集中というシステム(2)
日本を思考停止させるシステム ②正社員は安定という幻想
日本を思考停止させるシステム ③教育信仰 一流大学信仰
日本を思考停止させるシステム ④国際競争力という大義名分

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 4回ほど表記のタイトルで記事を書きましたがざっくりとまとめてみます。

 西欧が「宗教改革」「フランス革命」「アメリカ独立戦争」「南北戦争」などを経て、様々な思想家たちが500年かけて練り上げた「自由と個人の権利」というコンセプトが太平洋戦争終了後に日本に持ち込まれました。日本社会はそのコンセプトをあっという間に我が物とし、「都市での豊かな生活」「自由と個人の権利」「経済成長」を原理として今日の日本社会が構築され未曾有の発展を遂げました。そしてそのわずか60年間に構築されたシステムや考え方が、現在でも根強く日本社会に存在していると思います。しかし、そのシステムや考え方が今後もはや通用しないという厳然たる事実を見つめなければいけないと思います。

 戦後の日本は輸入したコンセプトである「自由」と「成長」を合言葉に、束縛された村社会である地方から都市(特に東京一極集中)へ人が集中しました。確かにその「人間の集中」こそが戦後の高度経済成長、経済の爆発的な拡大を生み出し、物質的な豊かさをもたらしたのは事実でありますし、それが何か悪いことであるとは言うつもりはありません。正社員が非正規社員より安定(だった)というのも事実ですし、いい大学へ行けばいい企業へ入社できて人生が安泰(だった)というのも事実ですのでそのことを否定をするつもりもありません。
 問題はその考えが今後もはや通用しないということです。確かに経済成長が見込めるうちはそれを追い続けるのは決して悪いことではありませんが、もはや成長しないのに成長ありきの社会システムや考え方に縛られ、それを維持、発展させようと四苦八苦することが社会の閉塞感に繋がっているのだと思います。
 「フリーターや非正規社員は不幸だ。」「一流大学を目指さなければいけない。」「国際競争に勝たなければいけない。」「経済を成長させなければいけない。」などの既存の社会システムから生み出されるこういう考え方や価値観に多くの人が縛られ、今の世の中に何となく希望を持てない状態こそが「日本を思考停止させている状態」と言えるのではないだろうか。
 「自由」「成長」。全く否定する要素がないと思われるこのコンセプトは大きな副作用を含んでいると思います。「経済低迷」「無縁社会」「非婚化」「少子高齢化」など社会問題となっていることは根源は全て同じで「自由」と「成長」の果ての副作用、反作用なのです。

日本を思考停止させるシステム 総論(2)へ続く