歴史、哲学
人間は「自分はまあまあ捨てたもんじゃない」と思っている。しかしこの変化し続ける世界は、常にそんな自分の自信を打ち壊そうと襲い掛かる。もちろん世界は僕達の自信を打ち壊そうとは思っていないが、(そもそも「世界」に意思はあるのかな?)僕達は世界…
上記の図の矢印の部分は「白」だろうか「黒」」だろうかと聞かれるとどっちだろうか。「灰色」としか答えようが無いかと思う。この図では左に黒、右に白があるのが見えていて全体像が見えるので「白寄りの灰色」と答えることも出来る。でも感覚的には「黒寄…
認知科学を学ぶ人の一定の割合が、大乗仏教の唯識論との間にかなりの親和性を見出すのではなないだろうかと最近思います。大乗仏教の唯識派が1700年も昔に最新の認知科学に勝るとも劣らない、人の心に関する深遠で精緻な理論を構築していたことに驚きを…
「近代以前の人々の視野はとても広かった」と言われると違和感を感じるかと思います。「科学もなく迷信と宗教の中で生きていた人々の視野が広い・・・だと?・・・」と感じるかと思います。確かにある一面においてはその通りなのですが、近代以前の人々の視…
変化し続けるこの世界の中で このブログを始めたのが2010年の年末なので丸7年経ちました。近年はあまりブログを書いていませんが考えることをやめたわけではありません。むしろ色々考え過ぎていてなかなか書くことが出来ないといいますか。年末の備忘録…
リベラルアーツについて リベラルアーツとは自由を獲得するための知識を増やす活動です。リベラルアーツのリベラルとは「自由」という意味で、その源流は古代ギリシアまでさかのぼります。 古代ギリシアには、「自由市民」と「奴隷」の二つの身分がありまし…
海嶺(上) (角川文庫)作者: 三浦綾子出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2012/08/25メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見る 江戸時代末期に現在の愛知県からアメリカのシアトル近郊まで漂流した音吉達(おときち)の数…
「欲望」と資本主義-終りなき拡張の論理 (講談社現代新書)作者: 佐伯啓思出版社/メーカー: 講談社発売日: 1993/06/16メディア: 新書購入: 4人 クリック: 44回この商品を含むブログ (36件) を見る 著者が本書の中で述べているように「資本主義」という言葉の…
一四一七年、その一冊がすべてを変えた作者: スティーヴングリーンブラット,Stephen Greenblatt,河野純治出版社/メーカー: 柏書房発売日: 2012/11/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 22回この商品を含むブログ (25件) を見る 古典古代(ギリシア、ロー…
サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福作者: ユヴァル・ノア・ハラリ,柴田裕之出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2016/09/08メディア: 単行本この商品を含むブログ (42件) を見るサピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福作者: ユヴァル・ノア・ハ…
中世の星の下で (ちくま学芸文庫)作者: 阿部謹也出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2010/11/12メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログを見る 僕は歴史の本を読むのが結構好きだ。と言っても織田信長やナポレオンのように一時代を彩った英雄の物語…
人は死ぬ。これは今までもこれからも未来永劫に避けられない運命だ。生命医療がどれだけ発達したとして、平均寿命が200歳になったとしても、この定めから人は決して逃れられない。 だからと言って、人は絶望しながら生きているだろうか?「どうせ死ぬんだか…
ヤフー知恵袋より一部引用 「共同体主義」とはどういう考え方ですか?わかりやすく教えて欲しいです。できれば対である言葉も教えてください。 共同体主義に対するものはリバタリアニズムでしょう。そもそも共同体主義という考え方は、リバタリアニズム批判…
20世紀の後半から始まったと思われる現代思想というのは具体性や物語性を持たないのでとっつきにくいかもしれません。本書はそのとっつきにくい思想を仲正昌樹先生がズバズバと包丁で大まかに料理して、誰でも現代思想のエッセンスを味わえるように仕立て上…
自分の考えをざっくりとまとめてみようと思う。私の基本的な立位置は単純なヒューマニズムに立脚した、コミュニタリアンである。このブログの中で私は「自由」に対して批判的であるが、それはコミュニタリアニズムが「「アトミズム」として定式化して「自由…
アベノミクスという言葉で表される、所謂「リフレ論」がどうにも好きになれません。俺は「金はたくさんあればいい」と考える俗物ですから、金を刷って世の中が良くなるのであればリフレ論に大賛成です。しかし、現実はそれほど簡単でも単純でも無いような気…
「努力は報われるか?」 単純な議題なのだが、実は非常に難しい哲学的問題が含まれていると思う。「努力は報われる!」という考え方は現代社会においては一種の念仏であり、題目であり、祈りであり・・・要するに「南無阿弥陀仏!」「神を信じるものは救われ…
このブログは俺の主観で社会について色々と論じていますが、それに対して具体的に社会を良くする方法などは一切持ち合わせていません!!同時に反資本主義や反国家主義などの思想も一切持ち合わせていません。俺自身「高邁な理念を持ち、社会を改革しよう!…
田中角栄は「人口と産業の大都市集中は、繁栄する今日の日本をつくりあげる原動力であった。しかし、この巨大な流れは、同時に、大都会の2間のアパートだけを郷里とする人びとを輩出させ、地方から若者の姿を消し、いなかに年寄りと重労働に苦しむ主婦を取…
このブログで何度も書いていることなのですが、敢えてもう一度書こう。そして何度でも書こう・・・何度でも蘇ってやる!「少子化や非婚化の原因は、不況や貧困ではない!」(一要因でしかない。) 少子化や非婚化の原因を不況や貧困に求める論調が強い影響を…
橘玲は以前から興味がありましたが、なんとなく読む機会が無く今まで読んだことはありませんでした。新刊の(日本人)が売れているらしく、これを機会に本書を購入しました。 本書は「日本人とは何か?」という「日本人論」です。博学卓識の橘氏が様々な文献…
引用開始(一部改変) 661 名無しさん@八周年 2008/03/01(土) 22:52:19 id:JF6529TKO 経済成長をドラクエで例えると、高度経済成長時代は勇者レベルが10〜15位のとき。はがねのつるぎとか買う時代。レベル上げ(経済成長)が楽しくて仕方無い時期。これから…
yahoo知恵袋で「哲学を勉強したいのですが、哲学を学ぶと独りぼっちになりませんか?」(うろ覚え)というスレッドがありました。これは何気に深いと思います。確かに、哲学を学ぶと象牙の塔に閉じ込めれられて無間の孤独空間に陥る可能性が秘められていると…
適当にポストモダンについて考えてみる。(今回の記事は読んでいて暗い気持ちになるかもしれないが、俺は基本的に未来は明るいと考えている立場です。) はじめに 時代の定義なんて後世の人間の勝手な定義でしかない。 「近代→現代」が始まったのはいつから…
「我思う、故に我あり(コギト・エルゴ・スムcogito,ergo sum)」で知られ、「近代哲学の父」と謳われるデカルトの入門書。 デカルトは真理を見つけるためにひたすら疑った。疑って疑って疑いまくって、最後に残る、絶対に疑えない存在だけが「真理」だろう…
俺が住む北陸地方は歴史的背景から浄土真宗が盛んです。北陸地方の墓は「○○家之墓」と刻印されておらず、多くが「南無阿弥陀仏」と刻印されています。地元の寺は地域の集会所みたいな役割を果たしていて、仏教に興味がなくてもなんとなく地元の人は寺に集ま…
哲学は面白い!そしてこの本は最高の入門書である! 哲学はとても難しいものでもあり、哲学に興味が無い人にとっては非常につまらないものだと思います。「哲学が好きだ!」と言う人に知り合ったとして、その人が「アリストテレスが・・・それでニーチェが言…
「人間は自由という刑に処せられている」byサルトル 西洋人類が尾崎豊のように自由を求め続けたかはわかりませんが、「自由」は近現代を考える上で重要なキーワードとなるでしょう。西洋人類は「自由」を求め続け「自由」を手に入れましたが、「自由」こそが…
永遠に続くかと思われたキリスト教による1000年に及ぶ中世西洋社会の支配。しかし絶対的影響力を持った宗教もやがて社会の主役から引き摺り下ろされました。 ルネッサンスから始まった大きな潮流が、宗教改革へ変化し市民革命を起こし、現在に至る「自由民主…
ブログのガイドライン その1 このブログの目次 ブログのガイドライン その2 社会の考え方 ブログのガイドライン その3 経済の考え方哲学、思想の考え方 「哲学とは・・・問題の発見や明確化、諸概念の明晰化、命題の関係の整理といった、概念的思考を通じ…