蟻の社会科学~リベラルアーツとロジカルシンキング~

自由に生きるため、この世界を知ることを目的としたブログです。ビッグヒストリーを縦軸にリベラルアーツを横軸にロジカルシンキングを最適化ツールとして。興味を持った方はガイドラインからどうぞ。

【59冊目】人工知能は人間を超えるか 松尾豊【60冊目】AIの衝撃 小林雅一【61冊目】人工知能と経済の未来 井上智洋 

AIの衝撃 人工知能は人類の敵か (講談社現代新書)

AIの衝撃 人工知能は人類の敵か (講談社現代新書)

編集中。。。。

【58冊目】入門経済思想史 世俗の思想家たち ロバート・L・ハイルブローナー

入門経済思想史 世俗の思想家たち (ちくま学芸文庫)

入門経済思想史 世俗の思想家たち (ちくま学芸文庫)

スミスにはじまりマルクスケインズシュンペーターと続く経済学の巨人たち。彼らが遺した経済思想とは、どんなものだったのだろうか。彼らはみな、経済的な分析技術の発明者というよりは、自分を取り巻く現実の経済社会と切り結び、人間の営みの本質を「ヴィジョン」として描こうとして「世俗の思想家」であった。(本書巻末より引用)
 1953年初版、2017年現在60年以上読まれ続けている経済思想史のロングセラー。経済学が生まれる以前の社会、経済学が生まれた背景、アダムスミス以降20世紀までの経済学者の経済思想の概要を社会背景と巧みに織り交ぜ説明しています。「入門」の言葉通り経済のことがよくわからなくても歴史に名を遺す経済学者たちのヴィジョン、思想、物語に触れることが出来る本です。
 経済学が生まれる以前の社会(18世紀以前)は支配者と被支配者が伝統に従って生きる極めて固定的で具体的な社会でしたが、18世紀に需要と供給のメカニズムが支配する流動的で抽象的で非人格的なマーケットと経済学が誕生しました。

 本書では経済学が生まれた背景を
1、ヨーロッパにおいて国家的政治単位が徐々に出現
2、ルネサンスで宗教的精神が薄れてきた
3、物質的な側面において大きな変化の潮流
4、科学革命、産業革命、技術的発明、科学的好奇心
上記の4つとしています。ルネサンス以降の社会の変化の蓄積が18世紀に産業革命の華を開かせ、同時に社会から切り離され抽象化されたモデルとしての経済学を誕生させたと説明しています。アダムスミス以降、「抽象化された理論とモデルと数式を用いた正統派経済学(スタティック派、抽象派)」を縦糸として「人間や社会は理論や数式だけでは表せないよという非正統派(ダイナミック派、具体派)」を横糸としてつむぎながら今日に至るのではないかと本書を読んで考えました。
 近年、極度に抽象化された数理モデル金融工学という名で暴走したり、モデルに手を加えることで現実社会をコントロールしようというアベノミクスが生まれたりしていますが、経済が抽象化されて社会から切り離された250年前に理論と現実が大きく乖離する社会の誕生が運命づけられていたんだな・・・と思います。

【57冊目】マインドマップ超入門 トニーブザン天才養成講座①

マインドマップ超入門 (トニー・ブザン天才養成講座)

マインドマップ超入門 (トニー・ブザン天才養成講座)


関連記事
人間は書かずに考えることが出来ない〜連想力を活用する〜
 タイトルの「天才養成」という言葉は言い過ぎですが思考力を高めるためのトレーニングとしてマインドマップ以上の方法はないと個人的に思います。下記の二点においてマインドマップは優れています。


①発想力、連想力を鍛えることが出来る
人間、何かを考えようとしても考える以前に何も思いつかないことも多いと思います。マインドマップはテーマを中心に記入して同心円状に関連する事柄を書きつなげていくことにより、発想力と連想力を鍛えることが出来ます。
②抽象化能力、客観的視点、全体俯瞰力、鳥の目を鍛えることが出来る
人は近視眼的で視野が狭く全体を考えることが苦手だとされています。テーマを中心に書き、思いつくままそのテーマに関連することを一枚の紙に書き出すだけでそのテーマの全体像を俯瞰することが出来るので客観的視点を養い全体像を考えることが出来るようになります。

 

 この二点によりマインドマップを書けば書くほど発想力、連想力と客観的視点、全体俯瞰力を鍛えることが出来ます。1日1枚書き続けるだけで数か月後にはかなり思考力が高めることが可能なのではないかと思います。考案者のトニーブザンは「マインドマップの書き方」に強いこだわりを持っているようで書き方が違えばマインドマップではないと言い切っていますが、あまり形にこだわらず気楽に裏紙とボールペンで適当に書いても問題ないと思います・・・。
 
その他の思考力トレーニング方法
①マンダラート
泉浩晃氏によって考案された発想法でプロ野球の日本ハム大谷投手が利用していることでも有名です。原理的にはマインドマップと同じですがフレームが固定されているのでフレームが固定されていないマインドマップより使いやすいかもしれません。

②ロジックツリー
ロジカルシンキング本に必ずと言っていいほど記載されているロジックツリー。原理的にはマインドマップ、マンダラートと同じです。

 

【56冊目】一四一七年、その一冊がすべてを変えた

一四一七年、その一冊がすべてを変えた

一四一七年、その一冊がすべてを変えた

 古典古代(ギリシア、ローマ)の文化を復興しようとする中世ヨーロッパの文化運動であるルネサンス。現代の地球を覆い尽くす勢いの資本主義と民主主義のグローバリズムの起点となったルネサンス。では中世を近世に方向づけたルネサンスの起点となったのは何だろう。ルネサンスは様々な要因が複合的に絡み合って起こったと考えられている。オスマントルコの侵略とビザンツ帝国の滅亡、東方貿易、メディチ家キリスト教会の腐敗、経済状況の変化、ペストetc・・・。本書は古代ローマの詩人・哲学者のルクレティウスと中世のブックハンター、古書収集家であるポッジョ・ブラッチョリーニの二人を構成の核として、ルクレティウスの思想がいかにルネサンスに影響を与えたか、ルクレティウスの思想を掘り起こし世に送り出したポッジョの活動がルネサンスの複合的起因の一つとなったことがテーマとなっている。
 ルクレティウスという偉人がいたことを本書で初めて知った。神と迷信と伝統が幅を利かせたであろう古代ローマにおいて、現代の科学に通じる無神論的思考、唯物論的思考、原子論的思考をベースに世界を因果律によって考えるルクレティウスの思想がルネサンスに影響を与えたというストーリーは非常に興味深く読めた。そのルクレティウスの古い写本を修道院の図書館から探し出したポッジョの活動を軸に当時の社会、文化、教会、教皇庁修道院と図書館など様々な要素や背景を絡ませていて当時の社会を豊かに想像することが出来る。
 「古代ギリシャローマ」「中世ヨーロッパのルネサンス」「現代の資本主義、民主主義、超高度情報化社会」この3点を直線でつなぎ、歴史全体のフレームを考えてモデル化するために参考になる良書。ただし「その一冊がすべてを変えた」というのは言い過ぎで「その一冊がルネサンスとその後の近代社会を作る要因の一つになったに過ぎない」ことは言うまでもない。

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ヨーロッパ「近代」の終焉

【55冊目】マンガでわかる!マッキンゼー式ロジカルシンキング

 世の中にはロジカルシンキングに関する本が山ほどあります。何冊か読んでみると基本的には書いてある内容は同じようなことですが、出せば売れるのでしょう、同じような本が何冊も出版され続けています。なぜ売れるのかというとロジカルシンキング本を買う人はロジカルシンキングがなかなか身につかないので同じような本を何冊も買ってしまうのかもしれません。
 ロジカルシンキングの本を読むと「あ〜なるほど。わかった!」という気になりますが、実際に日常の仕事や生活でロジカルシンキングを実践できているかと考えると出来ているような・・・出来ていないような・・・ 手応えを感じられない人が多いのではないかと思います。それもそのはず、ロジカルシンキングは本を読めばすぐに身につくものではないからです。プロ野球選手になる方法」という本を読めばすぐにプロ野球選手になれるわけでは無いのと同様、ロジカルシンキングの本さえ読めばロジカルシンキングが身につくものではありません。「わかる」と「出来る」は全然違います。
 ロジカルシンキングで必須の思考プロセスに「具体的事象を抽象化すること。抽象と具体の往復運動」がありますが、人の脳は具体的事象を抽象化することが苦手のようです。人は抽象的思考が苦手なのでひたすらトレーニングする以外に抽象的思考を身につける方法はありません。ロジカルシンキングはそのトレーニングを数か月から数年続けてようやく実践できるようになるものだと思います。(トヨタ自動車ではロジカルシンキングを「ズームインズームアウト思考」と呼び、社員に五年かけて身につけさせるとか・・・)
 本書では思考力を高めるトレーニング方法としてA4メモ書きという方法を紹介しています。ダメ社員の桃子がA4メモ書きで思考力をつけて成長していくサクセスストーリーをマンガとわかりやすい文章で小気味よく展開しています。トレーニング方法を含むロジカルシンキング入門としてお勧めです。

 マクロとミクロ

マクロとミクロの関係に対応するものを何となく考えたのでメモ替わりに書く。

マクロ    ミクロ
巨視的    微視的
抽象的    具体的
総論     各論
ズームアウト ズームイン
全体     部分
目的     手段
理論     実践
思考     行動
地図     現在地
鳥の目    虫の目
戦略     戦術
やるべきこと できること
理想     現実
過去と未来  現在
帰納     演繹
共通点    相違点
相対     絶対
客観     主観
To be     To do
Why      How
宇宙     素粒子
気象衛星   電子顕微鏡
原因     結果
イデア   計画
計画     実績
バーチャル  リアル
一般     特殊
汎用     専用
単純     複雑
利他的    利己的